
2025年7月読んだ漫画の中でオススメ作品のまとめです。
『逃げ上手の若君(21)』(松井優征)
生きる英雄と殺す英雄、北条時行と足利尊氏の生死を賭けた鬼ごっこを描く物語。
序盤から登場していたライバルキャラである小笠原貞宗に最後まで花を持たせて活躍させる構成力はお見事。史実と脚色のバランスも安定しており歴史物として強い。
『サチ録~サチの黙示録~(5)(完)』(茶んた)
日々の行いに対する採点結果に人類滅亡の命運が託されたクソガキが主人公のコメディ。
突然の別れからキャラ心理の深掘り、パニック映画のようなドタバタ劇、いつもの日常が戻ってくる終盤のストーリーが素晴らしかった。良い漫画でした。
『ゴーストフィクサーズ(5)』(田中靖規)
GHOSTと呼ばれる非現実的現象を調査・管理する校正官達の戦いを描く物語。
大規模な制約を強いるトリッキーな敵キャラ相手に主人公サイドが立ち向かう展開は能力バトルらしくて素敵。バトルと並行してキャラクタエピソードを掘り下げる構成もスマート。
『おかえり水平線(1)』(渡部大羊)
銭湯を舞台に高校生の少年と突如現れた父親の隠し子を名乗るもう一人の少年を描く物語。
住民達の憩いの場である銭湯という舞台を活かした人情味溢れるキャラクタ達の交流がほっこり温かい。家庭環境が複雑ながらも素直に育った少年少女の姿も素敵。
『杉雪カコと見たい明日(2)』(ノッツ)
ある条件を満たさなければ同じ一日をループする高校生男女二人の交流を描くラブコメ。
矢継ぎ早に繰り出されるネタは密度が濃くてコメディとして読みごたえがある。ループ設定を活かしたストーリーの中で主人公二人が悪戦苦闘する様子も楽しい。
『黄泉のツガイ(10)』(荒川弘)
ある村で生まれた双子の兄妹を中心に繰り広げられるファンタジー作品。
真の敵の姿が明らかになり始めて今まで敵対していた勢力と味方一行と共闘する流れで熱い展開になってきた。倫理観が狂った人々の屈託のない笑みも狂気に満ちており良い演出だった。
『私がモテないのはどう考えてもお前らが悪い!(27)』(谷川ニコ)
陰気で口の悪い女子高生とその周りのクラスメイト達を描いた青春コメディ。
キャラクタ達の痛々しい行動で共感性羞恥心をくすぐりつつ青春群像劇としても各人の成長や変化をしっかり描いてくれており素晴らしい。
『海が走るエンドロール(8)』(たらちねジョン)
65歳の女性がある青年との出会いをきっかけに映画製作を志す物語。
モラトリアム真っ最中の大学生と老齢の女性との人生を交わらせて新たな考えをもらたす構成力が巧み。次巻、最終巻。メイン二人の関係性や作品テーマにどのように決着をつけるか楽しみ。
『スナックバス江(18)(完)』(フォビドゥン澁川)
老婆とチーママが切り盛りする場末のスナックを舞台にしたギャグ漫画。
クズ揃いだけど憎めないキャラクタ達やワードセンスの光る軽快な掛け合いなど、最後まで本作らしい雰囲気を貫き通していた。フォビドゥン澁川先生の次回作にも期待したい。
『恋は忍耐(3)(完)』(川西ノブヒロ)
新たに共学になった元男子高に入学した少女のとある目的のための活動を描く物語。
恋とは何か、という作中で問い続けられた命題に対して本作らしい答えを出した上で主人公二人が選んだ選択がユニークで面白かった。恋愛題材の作品としてトリッキーでした。
『巡る遊星(2)』(中島佑)
30歳で芸人を辞めた脚本家志望の男性を中心に絡まり合う人間関係を描いた群像劇。
十人十色のコンプレックスを抱えて過去の過ちに悩まされ続けるキャラクタ達の葛藤にリアリティがある。映像や芸能業界の華やかな世界を支える人々の泥臭い仕事ぶりも興味深い。
『月刊トリレンマ(1)』(タチバナロク/橿原まどか)
マイナー漫画誌編集部を舞台に新人編集者と敏腕副編集長の奮闘を描く物語。
漫画家を上手くコントロールしてモチベーションを引き出す編集者の様子など、漫画編集部のお仕事がエンタメ強めかつ熱く、ドラマティックに描かれており面白い。
『スベる天使(1)』(桜箱)
冴えない男子高校生とクラスメイトのお笑い好き美少女がコンビを組む物語。
笑いのセンスはずれているが真摯に努力する少女と彼女に感化されていく少年、二人共キュートで魅力的であり、そんな彼らが関係を深めていくストーリーも青春成分が強くて素晴らしい。
『「壇蜜」(1)』(清野とおる)
清野とおると檀蜜が出会ってから結婚するまでを描くエッセイ漫画。
壇蜜本人のユニークなキャラクタやエピソードと清野とおるの話の広げ方が上手いエッセイギャグスタイルがマッチしていて面白い。作者の叔父を筆頭に登場する他の人物達も曲者揃いで興味深い。
『だんドーン(8)』(秦三子)
幕末を舞台に「日本警察の父」と呼ばれる男、川路利良の生涯を描く物語。
生麦事件などの歴史上な大きなイベントに対して、文献などから得られる史実と本作らしい脚色を合わせてバランスよくブレンドする手腕は流石。登場するキャラクタも皆個性が立っていて魅力的。
『彼は友達(1)』(浦野月鼓)
「絶対に好きにならない」と約束の上でクラスメイト男子と友人になった女子を描く物語。
変顔含めて表情豊かなキャラクタ達が繰り広げる掛け合いの雰囲気が独特で面白い。男女の友情という普遍的なテーマに対しても独自性を出しつつ誠実に取り組んでいる印象。
『ニセモノの錬金術師(4)』(杉浦次郎/うめ丸)
チートスキルで錬金術師を演じる転生者の男性と彼が買った奴隷の少女を描くファンタジー。
オリジナリティの高いファンタジー世界観や設定をベースにしたキャラクタ達の論理的思考が独特。癖の強い原作と美麗な作画も上手くマッチしている印象。
『天狗の台所(6)』(田中相)
14歳の1年間、隠遁生活を送る少年とその兄、天狗の末裔二人のスローライフを描いた作品。
料理や食事描写は丁寧かつ豊か。主人公二人を中心にした人間関係の描写も家族の形や自立しようとする子供への感情の向け方などに誠実に取り組んでいる。
『フラジャイル(30)』(恵三朗/草水敏)
性格と口と人相が極めて悪い、病気の原因過程を診断する病理医が主人公の病院ドラマ。
次々繰り出される個性豊かなキャラクタ達によって繰り広げられる人間ドラマは強度が高い。メインキャラのキャリアが着実に進展していくストーリー構成も素晴らしい。
『天国大魔境12』(石黒正数)
天国を探して崩壊した日本を旅する少年少女と箱庭に隔離された子供達を並行して描く物語。
タイトルの伏線回収も含めて作品の根底となる設定も明らかになりストーリー終盤、盛り上がってきた印象。あとはどのように大風呂敷を畳んでくれるか楽しみ。
『ザ・バックラッシャー(1)』(岡田索雲)
自身の正しさを証明するために変身ヒーローとして活動する44歳の無職男性を描く物語。
思慮が浅く大した信念もない主人公が狂気をはらんだ思想の持ち主達と出会い気圧されていく様は滑稽。社会派なメッセージとコメディが入り混じる独特の雰囲気。
『その着せ替え人形は恋をする(15)(完)』(福田晋一)
人形職人を目指す少年と彼にコスプレ衣装作成を依頼するオタクギャルを描くラブコメディ。
主人公二人の関係性だけでなく、周囲の人々とのエピソードも丁寧に描いたエピローグとなる1冊。物語が綺麗に畳まれた良い最終巻だった。
『ホイホ・ホイホイホ(1)』(ほしつ)
超能力に目覚めた女子高生とクラスメイトの女子二人を中心とした日常を描いたコメディ。
緩い絵柄で描かれるドタバタ劇はのんびりした日常と危機的状況のテンションの落差が激しくて緩急が効いている。シュールなシチュエーションの作り方も面白い。
『ぷらぷらチッケッタ(1)』(ぐみさわ)
ぼっち会社員とその先輩、メイド、大人女性3人が童心に帰って散歩する姿を描いた作品。
バラバラ個性三人組の掛け合いは気の置けないゆったりした空気で心地よい。彼女らが訪れる公園などの実在するスポットも個性的な場所揃いで興味深い。
『ひらやすみ(9)』(真造圭伍)
のんきなフリーター男性と大学進学で上京してきた女子との平屋での共同生活を描く物語。
のんびりした日常を過ごしながらも各キャラクタの人生が少しずつ変化していっている様子が本作らしいリズムで描かれている。主人公の落ち着くところがどこか気になる。
『フールナイト(11)』(安田佳澄)
死が迫る人々を植物に変える「転花」が普及した世界を舞台にした物語。
サスペンス強めの展開で敵味方の策略がぶつかり、だましだまされ合うストーリーには緊迫感があって手に汗握る。スタイリッシュなコマ割りや構図、作画の美しさも引き続き魅力的。
『つくもごみ』(panpanya)
だいたい年に一度のお楽しみ、panpanya先生の新作短編集。
どこかノスタルジックな画面の雰囲気や日常の何気ない要素に対する大変ユニークな着眼点、妙にロジカルっぽい話の広げ方、など、唯一無二のpanpanyaワールドを今回もめいっぱい楽しめた。
『チー付与(15)』(業務用餅/kisui/六志麻あさ)
物質を強化する能力を持つ青年と彼が所属する冒険者団体の人々を描くファンタジー作品。
漫画演出とストーリー構成の巧みさが随所に見られる。王家の政略争い編と竜族の反乱という大きな流れを今度のストーリーの中でどのようにリンクさせてくれるか楽しみ。
『ぷにるはかわいいスライム(8)』(まえだくん)
命が宿ったスライム少女と彼女を作った少年との交流を描いたコメディ。
人間とホビーの間の認識の差や大人とホビーとの距離感など、センシティブな内容をしっかり描いているイメージ。バリエーション豊かでエッジの利いたキャラデザインも魅力的。













































