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2025年8月読んだ漫画の中でオススメ作品のまとめです。

『こわいやさん(1)』(カメントツ)

可愛らしい動物が住む「どうぶつ」村にある怪談を販売する「こわいや」が舞台の物語。
ファンシーな動物の造形と背筋が凍るホラー描写の落差が激しくてユニーク。基本は伝聞形式で話を進めつつ作品の根底となる設定が徐々に明らかになる構成も面白い。


『税金で買った本(16)』(ずいの/系山冏)

ひょんなことから図書館で働くことになったヤンキー少年が主人公の物語。
主人公が大学生になり大学図書館のネタも出てきたりと制限が強い題材ながら相変わらずお話のバリエーション豊か。脇役でも癖の強い人物が多かったりとキャラクタの皆魅力的。


『せせせせ! ~目指せ初H! 童貞女子のときめき大作戦~(3)(完)』(たばよう)

目覚めると中学2年生女子になっていた25歳童貞男性がセックスをするために奔走する物語。
セックスへの願望という刺激の強いテーマを通して転生した主人公が人生を見つめ直すストーリー構成が綺麗にまとまっていた。


『バルバロ!(2)』(岩浪れんじ)

なにわのファッションヘルスを舞台に風俗嬢の多種多様な人間模様を描く物語。
登場人物の複雑な家庭事情やそこから形成された人格が作り込まれており、面倒くさいが魅力的なキャラクタ揃い。風俗関係者の会話や言動にも妙な現実臭さがある。


『チー付与(16)』(業務用餅/kisui/六志麻あさ)

物質を強化する能力を持つ青年と彼が所属する冒険者団体の人々を描くファンタジー作品。
先王を超えたい願望と周囲の評価が伴わない力不足の間で葛藤する王子の姿が悲劇的に描かれており見事な演出力。竜族反乱とのストーリーの絡め方も巧みで引き込まれる。


『あくまでクジャクの話です。(5)』(小出もと貴)

恋愛に悩む男性教師と生物学を通して恋愛の悩みに答える変な女子高生との交流を描く物語。
エキセントリックながら恋する乙女な主人公のキャラクタが強烈でキュート。ヘビー過ぎた家庭事情のメインストーリーも良い具合にコメディじみてきた。


『頼くんとヨリを戻すわけには!(1)』(旗谷澄生)

中学時代に別れた彼氏と大学で再開した女性が彼との関係性に右往左往する物語。
自信家で鼻につくけど愛嬌があって憎めず、一途に主人公にアタックし続けるヒーローのキャラクタが魅力的。少女漫画的シチュエーションの演出力も強い。


『写らナイんです(5)』(コノシマルカ)

霊を引き寄せる体質に悩む少年と霊感ゼロだけど心霊写真を撮りたい少女が主人公の物語。
生命力の強いパワフルなキャラクタ達が怪異による生命の危機をものともせず暴れまわるコメディ模様が楽しい。ヘンなテンションでハイになるキャラの姿も滑稽。


『かくかまた(1)』(くさかべゆうへい)

周囲に隠れて漫画を描く女子と成績優秀な男子、漫画の専門学校に通う二人を描く物語。
癖が強すぎるキャラクタ達の妙な雰囲気の掛け合いは大変ユニーク。主人公二人の漫画を通した絆もエモーショナル。漫画専門学校という舞台が今後どのように活かされるか楽しみ。


『マトリの推し事 芸能人の家宅捜索をやりたくて(1)』(清家孝春/廣畑徹)

華やかな芸能人を推すことが生きがいの麻薬取締官女性が自分の推しを捜査する物語。
推しへの想いが強すぎるあまり周囲をドン引きさせながら暴走する主人公のキャラクタが強烈。麻薬取締官の職務内容も興味深い。


『ディグイット(1)』(ヨシダ。)

元全日本代表アタッカーの父を持つ少年が新たな道を踏み出していく高校バレーボール物語。
反逆を誓う主人公の意志の強さや宿敵の存在、新天地での個性豊かなメンバー集結、ライバル校登場、など、高校部活物の導入としてクオリティが高く今後への期待が高まる。


『青野くんに触りたいから死にたい(13)』(椎名うみ)

死んで幽霊になった恋人を一途に愛し続ける女子高生を描いた純愛ホラー。
本作独特の設定は難解ながらキャラクタ心理をえぐるように描写する画面演出は強烈。いよいよクライマックスとなる主人公二人の物語はどのように幕を閉じるか。


『スキップとローファー(12)』(高松美咲)

自信家だけどちょっと抜けてる少女と高校のクラスメイト達との交流を描く物語。
キャラクタ達の過去の暗い記憶を捨てずに丁寧に掬い取りながら現在の彼らの新たな道しるべとしていくストーリー構成力が秀逸。素晴らしい青春群像劇。


『1日2回(6)』(いくえみ綾)

中学生の娘がいる未亡人と婿養子からの出戻り男性、幼馴染のアラフォー二人を描いた物語。
恋人でもない家族でもない主人公二人の関係性が揺らぐ様子が繊細かつ情緒的に描かれており素晴らしい。中年が赤子や思春期の子供に向ける感情の描き方にもリアリティがある。


『ローズ ローズィ ローズフル バッド(6)』(いくえみ綾)

ゆるキャラ漫画が代表作のアラフォー女性漫画家が少女漫画を描くために奮闘する物語。
失恋からの再起、仕事への邁進、新たな出会いと過去の恋への執着、と移り変わる主人公の思考を乗せたストーリー展開はスピード感があって楽しい。


『春風のエトランゼ(6)』(紀伊カンナ)

婚約者から逃げ出した同性愛者の小説家とパートナーの男性との日常を描いた作品。
愛嬌たっぷりでキュートなキャラ達がワチャワチャと交流する様子はハッピーな雰囲気で溢れている。ヘビーな事象もポジティブに変換していく主人公二人の関係性が気持ちいい。


『ぷにるはかわいいスライム(9)』(まえだくん)

命が宿ったスライム少女と彼女を作った少年との交流を描いたコメディ。
子供向け作品という体のハイテンションなギャグは大人でも十分楽しめる内容。毎話数ページしか登場しない変身後主人公のキャラデザインへの拘りも素晴らしい。


『路傍のフジイ(5)』(鍋倉夫)

40過ぎで非正規社員、冴えないけど何故だか人を惹き付ける不思議な男性が主人公の物語。
作中キャラクタ達の言動や思考にリアリティがあり現実の人間味にあふれている。日常のふとした瞬間の切り取り方や劇的でなくても物語を成立させる構成力も素晴らしい。


『しすたれじすた(2)』(岡田麿里/オジロマコト)

アイドル衣装デザイナーの女性と疎遠だった彼女の家族がアイドル事務所を結成する物語。
バラバラだった家族4人が共通の目標の下、関係を修復していくストーリー展開が素晴らしい。表情豊かで多彩な感情をみせるキャラクタ達も皆魅力的。


『断腸亭にちじょう(4)』(ガンプ)

ガンと診断されたひねくれ者漫画家の闘病生活を描くエッセイ漫画。
各段階の治療や家族、医療従事者との交流について、その当時の作者の心理が臨場感を持って伝わるような漫画表現が工夫されており、エッセイ漫画としてよくできている。


『ONE PIECE(112)』(尾田栄一郎)

「ひとつなぎの大秘宝」を求めて大海原を旅する麦わら海賊団の冒険を描く物語。
広げに広げた大風呂敷を畳むどころか新たなキャラクタや設定を出して、まだ作品世界を広げようとする貪欲さは本作らしい。最終章と言いながらも完結まではまだまだ時間がかかりそう。


『ツッパリ探偵怪人メルヘン心中』(龍村景一)

漁村に赴任してきた東京の教師と人魚の子供との交流を描く物語などを収録した短編集。
ぶっ飛んだ設定とトリッキーなストーリー構成で漫画表現の新たな境地に挑むような挑戦的なお話揃い。一部に生成AIを活用した作画への試みなどもユニーク。


『地元最高!(8)』(usagi)

イリーガルなアングラ世界を生きる女の子達のすさんだ日常を描く物語。
最終章と銘打たれたヤクザ編、敵勢力の狂気や悪行がこれまで以上にぶっ飛んだ漫画表現で描かれる中で、味方の裏切りや脱落、過去の敵との共闘などの展開もあり盛り上がってきた。