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2025年11月読んだ漫画の中でオススメ作品のまとめです。 

『増田こうすけ劇場 ギャグマンガ日和GB(9)』(増田こうすけ)

歴史上の人物を使ったり変な設定が繰り広げられたりするギャグオムニバス。
良くも悪くも25年間変わらない雰囲気のギャグが繰り広げられており安心感がある。増田こうすけのライフワークとして末永く続いていってほしい。


『姫様"拷問"の時間です(18)』(ひらけい/春原ロビンソン)

バターロールやのり弁など様々な拷問を受ける囚われの姫を描いたコメディ。
あの手この手で繰り広げられるメタギャグもバリエーション豊かだし、魔王の子育てネタもリアリティがあって面白い。次巻、完結。本作の設定にどのような決着がつくか楽しみ。


『チハヤリスタート!(3)』(たけうちホロウ)

足が速いだけでチヤホヤされていた少女とライバルとなるもう一人の少女を描く陸上物語。
過去の仲間達が社会人としてそれぞれの人生を歩んでいる中で短距離走の熱を取り戻させていくストーリー構成が素敵。個性豊かなキャラクタ達も皆魅力的。


『税金で買った本(17)』(ずいの/系山冏)

ひょんなことから図書館で働くことになったヤンキー少年が主人公の物語。
図書館の業務に限らず、社会人における職場での理不尽な出来事などのお仕事ネタにリアリティがある。劣等感などキャラクタ達の負の感情の描き方も丁寧で共感性が高い。


『阿佐ヶ谷サキュバス同人物語(1)』(縁山)

売れないエロ同人作家の女性と処女サキュバスコンビがエロ漫画創作に取り組むコメディ。
パワフルなキャラクタ達が引き起こすドタバタなやり取りや機知に富んだ掛け合いに勢いがある。同人作家やエロ漫画の創作に関するネタも面白い。


『魔法少女イナバ(1)』(猫にゃん)

自身を魔法少女だと信じて疑わない女性が世にはびこる悪と戦う物語。
狂気に近い感情で動く主人公の行動原理が特異であり、落ち着いたモノローグでの解説も彼女の異常性を演出している。主人公の身体が容赦なく欠損していく展開も特徴的で面白い。


『発達障害なわたしたち(2)』(町田粥)

ADHDの特徴がある漫画家と編集者が様々な発達障害の方々にインタビューするレポ漫画。
対談の内容が上手く漫画に落とし込まれておりヘビーな題材ながら読みやすい。登場する大童澄瞳などのゲストも症例に対する言語化能力が高くでエピソードも興味深い。


『ウリッコ(1)』(殺野高菜/大森かなた)

漫画喫茶に住み売春して生活費を稼ぐ女性が人生一発逆転を目指して漫画を描き始める物語。
思考が短絡的で漫画に対して根気も情熱もない主人公に焦点を当てて漫画創作を描いているのが非常にユニーク。貧困に生きる人々の思考や行動にリアリティがある。


『東京最低最悪最高!(3)』(鳥トマト)

東京の出版社を舞台に現実に絶望しつつも折り合いをつけながら生きる人々を描く群像劇。
現代社会の問題点を誇張して醜悪に描くスタイルは過激ながら現実の一面を映しておりメッセージ性が強い。現実に対してネガティブなだけでない芯の強さも感じ取れる。


『ミュージアムのふたり(2)』(山崎虔十)

悪評から逃れたくて博物館で働き始めた女性と先輩の学芸員女性が主人公の物語。
素朴な絵柄や題材ながら、各キャラクタ達の悩みや葛藤、周囲の助けを借りながら折り合いをつけていく様子など丁寧に描かれており人間ドラマの強度が高い。


『香港ネクロポリス(1)』(越谷美咲)

香港を舞台に猪突猛進の女性刑事と謎の男のコンビが繰り広げるネクロマンスアクション。
コマ割りや擬音も駆使したアクションシーンの漫画表現はスタイリッシュで素敵。香港という舞台を活かした背景描写や設定なども緻密に作り込まれている。


『かみちゃんがいればマル(1)』(古田青葉)

家庭環境に問題がある少女とお隣に住む紙袋を被った不思議なお友達の交流を描く物語。
ヘビーなシチュエーションや超常的な事象でもコミカルなテンションも織り交ぜながら軽やかに進んでいく雰囲気が特徴的。人外キャラの人間へのスタンスもユニーク。


『虚構推理(24)』(片瀬茶柴/城平京)

怪異たちから知恵の神として慕われる義眼義足の少女を主人公にした怪奇ミステリ。
新シリーズは賢者の石や忍法など奇抜なテーマの組み合わせながらそれらを上手くまとめた上で、作中作と現実を上手くリンクさせて二重構造にするあたり原作者の手腕が光る。


『私の百合はお仕事です!(14)』(未幡)

お嬢様学園のコンセプトカフェで働く少女達の人間模様を描く百合物語。
作者もあとがきで触れていたような、あるキャラクタにとっての最悪のシチュエーションから上手く話をまとめて今回のメイン二人の関係は収まるところに収まった印象。


『ここは今から倫理です。(10)(完)』(雨瀬シオリ)

問題を抱える生徒達と対話しながら倫理を説く高校教師を描いた物語。
安楽死に関するディベートというラストの展開も本作らしく誠実だった。「善く生きる」ための倫理という難しいテーマに丁寧に向き合った素晴らしい作品でした。傑作。


『こんづくし(1)』(森長あやみ)

狐達が通う学校に自身を狐と偽って入学することになった人間少女とクラスメイト達を描く物語。
キュートなキャラクタデザインながらシュールかつパンチの強いコメディスタイルが魅力的。メタっぽいネタも組み込んできたりと自由な雰囲気も楽しい。


『ビバリウムで朝食を(4)(完)』(道満晴明)

街の七不思議の秘密を探る仲良し小学生3人組の少し不思議な冒険を描いた作品。
とんでもない飛び道具のメタ展開も含めてオリジナリティの高いSF設定や個性豊かなキャラクタ達のエピソードを綺麗にまとめ上げたラストは素晴らしい読後感。傑作。


『邪神の弁当屋さん(3)』(イシコ)

戦争を起こした罪で人間として謹慎中の神が弁当屋として働きながら人々と交流する物語。
輪郭線の太い独特の絵柄と重い感情を抱えながらも優しいキャラクタ達、静かながらずっしりと重い会話、唯一無二の世界観などの要素が上手くかみ合ってユニークな雰囲気。


『ちいかわ なんか小さくてかわいいやつ(8)』(ナガノ)

マスコット的な可愛い生き物達の日常を描いた作品。
映画化も発表された島編を完全収録。本作らしいダークな世界観もしっかり押さえつつ、起伏のある展開や巧みな伏線撒きと回収など長編ストーリーとしての構成も素晴らしい。


『歌舞伎町カラオケ店員としくにさん(1)』(竹内佐千子)

ある目的を持ったカラオケ屋の店員とその店を訪れる様々な訪問客を描く物語。
比較的ライトなテンションのコメディ描写主体のお話から急転直下の展開でドス黒く醜悪な人間模様が描かれる各話のストーリー構成が強烈。


『ランチユーインザスカイ』(伊藤九)

学校に馴染めない男子高校生が不登校気味のクラスメイトからある提案を受ける物語。
単巻完結のストーリーは二人の出会いから交流、関係性の深化、そして別れまで疾走感のある構成。高校生らしい青さとエネルギーが作品につまっていて素敵。


『ブスなんて言わないで(6)(完)』(とあるアラ子)

自身の容姿に自信のない女性と美容研究家の女性がルッキズムについて考える物語。
主人公二人の容姿への考えもある程度まとまり関係性も落ち着いて綺麗な大団円。多様な立場や視点からルッキズムに対して真摯に向き合った誠実な作品だった。


『ブルーピリオド(18)』(山口つばさ)

高校2年時に絵を描く楽しさに目覚めた少年が芸術に打ち込む物語。
自分の中に膨れ上がった理想像と向き合い葛藤の末に自身の本当の想いに気づく主人公の心理変化の描写が素晴らしい。お互いにリスペクトし合う新しい関係を築いた二人の姿の尊い。


『秘密法人デスメイカー(2)』(鰻田まあち)

ヒーローからの被虐願望がある怪人と彼女から生み出された怪人達との日常を描いたコメディ。
倫理観が終わっているキャラクタ達の掛け合いは妙な言語センスも合わさって軽快で楽しい。お話の構成も型にはまらず妙な雰囲気がある。


『ドカ食いダイスキ! もちづきさん(3)』(まるよのかもめ)

食欲に抗えず異常なカロリーを摂取する女性の奇行めいた食事風景を描いたコメディ。
食欲に取りつかれたような思考回路で常人とはかけ離れた行動を取る主人公の姿が強烈。登場する料理も味や量がイメージできる範囲でぶっ飛んでいる。


『とくにある日々(7)』(なか憲人)

女子高生二人とその周囲の人々のちょっとヘンテコなやり取りを描いた日常コメディ。
妙なルールの遊びや自作カードゲームの発想が大変ユニークで、何気ない日常に面白さを見出す発想力の豊かさに感心させられる。主人公二人の関係性も素敵。


『スーパー不向きくん』(ビュー)

スーパーの業務を憎んでいるバイト青年を描く表題作含むコメディ作品集。
『レッツゴー怪奇組』のビュー先生の作品。妙に強情で自分の主義主張を曲げずに突っ走るキャラクタやハイテンションでおかしな方向に進んでいく展開は作者らしさが光る。


『のんのんの日常チャンネル(1)』(路田行)

自分の何気ない日常を配信するのが趣味の会社員女性に想わぬ出来事が起こる物語。
普通に考えれば異常な行動を取る男性に対して気を許してしまう主人公の危うさにヒヤヒヤさせられる。あちこちで破綻しそうな人間関係がスリリング。