※ランキングのレギュレーション
2025年内に紙の書籍が発売されたコミック
私が2025年に読んだ漫画は566冊。2023年が933冊、2024年が726冊とどんどん減ってきています。子育てが大変なので致し方なし。
その中から特に面白かったものを50作品ピックアップしました。ランキング形式にしたので下に行くほどオススメです。皆さんの漫画選びの参考にして頂けますと幸いです。
50位『フラジャイル(30)』(恵三朗/草水敏)
性格と口と人相が極めて悪い、病気の原因過程を診断する病理医が主人公の病院ドラマ。
次々繰り出される個性豊かなキャラクタ達によって繰り広げられる人間ドラマは強度が高い。メインキャラのキャリアが着実に進展していくストーリー構成も素晴らしい。
49位『今日も吹部は!(2)~(4)(完)』(宮脇ビリー)
野球部から吹奏楽部に転部した少年と全然まとまりのない部員達との交流を描くコメディ。
ハイテンポな掛け合いのテンションは維持しつつ主人公とメインヒロインのヘンテコな関係性にいちおうの決着をつけて綺麗に大団円。良い作品でした。
48位『劇光仮面(7)~(8)』(山口貴由)
大学時代に特撮研究会に所属していた男性とその仲間達を描く物語。
特撮に本気で取り組む主人公達の狂気と現実に顕現した怪物の暴走がぶつかるストーリー、落ち着いた文章でぶっ飛んだ内容のモノローグ演出やグロテスクな描写など唯一無二の山口貴由ワールド。
47位『来見沢善彦の愚行(1)』(ときわ四葩)
昭和40年代を舞台にスランプの漫画家と漫画家志望の青年との奇妙な関係を描く物語。
急転直下でドラマティックな構成の第一話から綱渡りのような展開が続くストーリーがスリリング。絵柄含めて当時の漫画創作現場へのリスペクトも随所に感じ取れる。
46位『ありす、宇宙までも(3)~(5)』(売野機子)
言語が苦手な少女が苛烈な天才少年のサポートを受けて宇宙飛行士を目指す物語。
ピュアで何ものにも染まっていない少女が周囲の人々や環境の影響を素直に吸収してぐんぐん成長していくストーリーは爽快。少年とのコンビも良い補完関係になっている。
45位『君と宇宙を歩くために(4)~(5)』(泥ノ田犬彦)
ヤンキーの少年と転校生のもう一人の少年、「普通」ができない二人を描く物語。
高校のクラスの中で人間関係のちぐはぐが起こっても周囲の助けでリカバリーできる展開は優しい。主人公二人以外のキャラも丁寧に扱っている印象で好感が持てる。
44位『邪神の弁当屋さん(1)~(3)』(イシコ)
戦争を起こした罪で人間として謹慎中の神が弁当屋として働きながら人々と交流する物語。
輪郭線の太い独特の絵柄と重い感情を抱えながらも優しいキャラクタ達、静かながらずっしりと重い会話、唯一無二の世界観などの要素が上手くかみ合ってユニークな雰囲気。
43位『怪獣を解剖する 上下』(サイトウマド)
かつて大災害を巻き起こした怪獣の死骸を調査する科学者の女性が主人公の物語。
現実の社会問題を入り混ぜた怪獣の設定は独自性が高くロジカルに作り込まれており非常によくできていた。上下巻通したストーリーも起伏があって綺麗にまとまっていた。
42位『限界OL霧切ギリ子』(ミートスパ土本)
ブラック気味な職場に勤める女性会社員の妙な拘りを持った限界料理を描くグルメ漫画。
作中で描かれる食事や料理への妙な拘りは作者の現実世界でのトライアンドエラーが垣間見えて興味深い。癖の強いキャラクタ達の掛け合いや関係性も面白い。
41位『どく・どく・もり・もり(4)~(5)』(背川昇)
真っ赤な食用キノコの少女が両親の仇である毒キノコへの復讐を試みる物語。
ファンシーな世界観とポップなキャラデザインと残忍でグロテスクなストーリーの落差が強烈。本作の世界の根底にある設定を匂わせる描写も気になるところ。
40位『ややこしい蜜柑たち(3)』(雁須磨子)
親友の彼氏に不義理な行いをしてしまった女性が主人公の物語。
キャラクタ心理の機微を情緒的に描く漫画表現が巧みで会話劇の中に臨場感がある。真意の読めない不気味な女性に振り回される男性キャラが不憫ながら慌てふためく様子は滑稽。
39位『スベる天使(1)』(桜箱)
冴えない男子高校生とクラスメイトのお笑い好き美少女がコンビを組む物語。
笑いのセンスはずれているが真摯に努力する少女と彼女に感化されていく少年、二人共キュートで魅力的であり、そんな彼らが関係を深めていくストーリーも青春成分が強くて素晴らしい。
38位『ツッパリ探偵怪人メルヘン心中』(龍村景一)
漁村に赴任してきた東京の教師と人魚の子供との交流を描く物語などを収録した短編集。
ぶっ飛んだ設定とトリッキーなストーリー構成で漫画表現の新たな境地に挑むような挑戦的なお話揃い。一部に生成AIを活用した作画への試みなどもユニーク。
37位『正反対な君と僕(8)(完)』(阿賀沢紅茶)
素直になれない陽キャ女子と彼女が想いをよせる物静かな男子との交流を描いた作品。
メイン男女3組の関係性にそれぞれ上手く決着をつけて大団円。卒業後の彼らの姿も描いて物語の後への想像の余地を残す作品の畳み方も素晴らしい。
36位『しすたれじすた(1)~(2)』(岡田麿里/オジロマコト)
アイドル衣装デザイナーの女性と疎遠だった彼女の家族がアイドル事務所を結成する物語。
バラバラだった家族4人が共通の目標の下、関係を修復していくストーリー展開が素晴らしい。表情豊かで多彩な感情をみせるキャラクタ達も皆魅力的。
35位『BEAT&MOTION(6)(完)』(藤田直樹)
かつてアニメ制作の夢を諦めていた青年がある女性との出会いから再び夢と向き合う物語。
主人公が挫折から周囲の人々に支えられながら立ちあがっていく構成が力強かった。二人が夢を語り合った場面がリフレインするラストシーン美しい。
34位『現象X 超常現象捜査録(1)~(2)』(温泉中也)
超常現象がかかわる事件を捜査する亜人女性と国家警察男性のコンビを描く物語。
ハードボイルドな雰囲気の捜査過程やシニカルな掛け合い、犯人の悲劇的運命、解決に至るまでのドラマティックなストーリー構成など各要素のクオリティが高い。
33位『歌舞伎町カラオケ店員としくにさん(1)』(竹内佐千子)
ある目的を持ったカラオケ屋の店員とその店を訪れる様々な訪問客を描く物語。
比較的ライトなテンションのコメディ描写主体のお話から急転直下の展開でドス黒く醜悪な人間模様が描かれる各話のストーリー構成が強烈。
32位『SAN値直葬!闇バイト(3)』(ムクロメ)
守銭奴少女とそのバイト仲間達が怪物のぬいぐるみを仕入れる怪しい仕事に勤しむコメディ。
美少女4コマコメディとクトゥルフ神話を組み合わせたコンセプトが引き続き斬新で非常にユニーク。何があっても死ななさそうな主人公のキャラクタも強烈。
31位『あくまでクジャクの話です。(4)~(6)』(小出もと貴)
恋愛に悩む男性教師と生物学を通して恋愛の悩みに答える変な女子高生との交流を描く物語。
恋愛成就のためには手段を選ばない主人公がパワフルでキュート。こじつけのような恋愛に関する生物学の例えもその強引さが面白い。
30位『ずっと青春ぽいですよ(4)』(矢寺圭太)
アイドル研究部のオタク男子達と彼らに付き添う女子達が青春を謳歌するため奮闘する物語。
各々の価値観の中で悩み努力する高校生達の姿が活き活きと描かれており素晴らしい。特に受験などのコンプレックスに悩む女子の葛藤が青春らしい。
29位『ヴィンランド・サガ(29)(完)』(幸村誠)
戦いのない楽園を目指す元ヴァイキングの男を描いた物語。
暴力の連鎖との戦いという人類史スケールでの壮大なテーマに対して誠実に向き合った作品であり、物語の畳み方も見事だった。平和への願いがこめられた傑作でした。
28位『ちいかわ なんか小さくてかわいいやつ(8)』(ナガノ)
マスコット的な可愛い生き物達の日常を描いた作品。
映画化も発表された島編を完全収録。本作らしいダークな世界観もしっかり押さえつつ、起伏のある展開や巧みな伏線撒きと回収など長編ストーリーとしての構成も素晴らしい。
27位『国を蹴った男 上下』(伊東潤/幾花にいろ)
桶狭間の戦い前の今川家を舞台に蹴鞠職人と今川氏真に焦点を当てた歴史小説のコミカライズ。
戦国大名達のダイナミックな勢力争いが否応なしに進む中で、主人公二人の時代にそぐわない生き様が対比的に描かれており素晴らしいストーリー構成だった。
26位『ダイヤモンドの功罪(8)~(9)』(平井大橋)
規格外の才能ゆえに野球を楽しむことが許されない少年が主人公の物語。
純粋無垢だった主人公が周囲とのすれ違いや軋轢の末に悪い方向に堕ちていく姿は強烈。集団における険悪な雰囲気や打算的に動く大人達の姿の描写にもリアリティがある。
25位『平成敗残兵すみれちゃん(5)~(8)』(里見U)
元アイドルの31歳女性が従弟の男子高校生にプロデュースされて再始動する物語。
基本的に本気でダメ人間ながら芯の通った強さのある主人公は魅力的。時代遅れの仕事のやり方を続けて周りから疎まれる新キャラなど登場人物の痛々しさにリアリティがある。
24位『ドカ食いダイスキ! もちづきさん(2)~(3)』(まるよのかもめ)
食欲に抗えず異常なカロリーを摂取する女性の奇行めいた食事風景を描いたコメディ。
食欲に取りつかれたような思考回路で常人とはかけ離れた行動を取る主人公の姿が強烈。登場する料理も味や量がイメージできる範囲でぶっ飛んでいる。
23位『サチ録~サチの黙示録~(4)~(5)(完)』(茶んた)
日々の行いに対する採点結果に人類滅亡の命運が託されたクソガキが主人公のコメディ。
突然の別れからキャラ心理の深掘り、パニック映画のようなドタバタ劇、いつもの日常が戻ってくる終盤のストーリーが素晴らしかった。良い漫画でした。
22位『ここは今から倫理です。(10)(完)』(雨瀬シオリ)
問題を抱える生徒達と対話しながら倫理を説く高校教師を描いた物語。
安楽死に関するディベートというラストの展開も本作らしく誠実だった。「善く生きる」ための倫理という難しいテーマに丁寧に向き合った素晴らしい作品でした。傑作。
21位『ブルーピリオド(17)~(18)』(山口つばさ)
高校2年時に絵を描く楽しさに目覚めた少年が芸術に打ち込む物語。
自分の中に膨れ上がった理想像と向き合い葛藤の末に自身の本当の想いに気づく主人公の心理変化の描写が素晴らしい。お互いにリスペクトし合う新しい関係を築いた二人の姿の尊い。
20位『放課後帰宅びより(4)~(5)』(松田舞)
帰り道にロマンを求めるハイパー帰宅部の主催者女子とその部員である男子を描く物語。
互いに対する想いを徐々に深めていき、思い切ったアプローチも試みる二人のやり取りの青春濃度が非常に高い。各シーンのシチュエーション演出も破壊力抜群。
19位『インハンド(6)』(朱戸アオ)
偏屈寄生虫学者が医学関係の事件に巻き込まれるサスペンス。
現実の最新医学トピックをベースにフィクションながら現実に起こりえそうな事件を展開していくストーリー構成力が秀逸。癖の強いキャラクタ達の描きわけや魅力の引き出し方も素晴らしい。
18位『チハヤリスタート!(1)~(3)』(たけうちホロウ)
足が速いだけでチヤホヤされていた少女とライバルとなるもう一人の少女を描く陸上物語。
過去の仲間達が社会人としてそれぞれの人生を歩んでいる中で短距離走の熱を取り戻させていくストーリー構成が素敵。個性豊かなキャラクタ達も皆魅力的。
17位『かわいすぎる人よ!(3)~(4)』(綿野マイコ)
素直でしっかり者の少女と容姿端麗で姪っ子を溺愛するおじ、同居する二人を描く物語。
お互いのことを尊重し合う主人公二人の関係が尊い。二人の空気が周囲の人々に伝播していく雰囲気も含めて、この上なく優しい世界で読んでいて癒される。
16位『「壇蜜」(1)』(清野とおる)
清野とおると檀蜜が出会ってから結婚するまでを描くエッセイ漫画。
壇蜜本人のユニークなキャラクタやエピソードと清野とおるの話の広げ方が上手いエッセイギャグスタイルがマッチしていて面白い。作者の叔父を筆頭に登場する他の人物達も曲者揃いで興味深い。
15位『秘密法人デスメイカー(1)~(2)』(鰻田まあち)
ヒーローからの被虐願望がある怪人と彼女から生み出された怪人達との日常を描いたコメディ。
倫理観が終わっているキャラクタ達の掛け合いは妙な言語センスも合わさって軽快で楽しい。お話の構成も型にはまらず妙な雰囲気がある。
14位『ただの飯フレです(4)~(5)』(さのさくら)
マッチングアプリで出会ったご飯を食べるためだけに集まる男女を描く物語。
社会人として生きるキャラクタ達の悩みにリアリティがあり、食事の場でそれを周囲に相談し解消に向かっていくストーリー構成も素晴らしい。登場する料理もどれも美味しそう。
13位『転がる姉弟(7)』(森つぶみ)
親の再婚により新しく家族となった姉と弟を中心に繰り広げられる物語。
子供の視点から描かれる日常や彼らの言動にリアリティがあり、特に本巻収録の知らない親戚の葬儀に参列する話は秀逸。どのお話もほっこり温まるホームドラマで読んでいて癒される。
12位『米蔵夫婦のレシピ帳(5)(完)』(片山ユキヲ)
妻に先立たれた堅物な小説家の男性が妻の残したレシピ本を元に料理を作り記憶を辿る物語。
グリーフケアが題材の作品としてこれ以上ないと思わせるストーリー構成。物語の集大成である最終話は全てのコマで目頭が熱くなった。傑作でした。
11位『バルバロ!(1)~(2)』(岩浪れんじ)
なにわのファッションヘルスを舞台に風俗嬢の多種多様な人間模様を描く物語。
登場人物の複雑な家庭事情やそこから形成された人格が作り込まれており、面倒くさいが魅力的なキャラクタ揃い。風俗関係者の会話や言動にも妙な現実臭さがある。
10位『よつばと!(16)』(あずまきよひこ)
好奇心旺盛で元気いっぱいな少女とその周りの人々を描いた日常物。
天真爛漫な主人公と周囲の人々との楽しくて優しい交流は連載開始後22年経っても変わらぬ魅力がある。サプライズゲストの登場も作者ファンとして嬉しい。今後も末永く続いてほしい作品。
9位『傷口と包帯(2)~(3)』(七井海星)
弱った人間に性的興奮を感じるヤクザの娘と彼女の世話を任されたヤクザを描くコメディ。
特殊性癖に対する言語化が非常に巧みで本作のメインであるヨワラー以外にも当てはまる事項も多くて興味深い。表情豊かなキャラクタ達の妙な掛け合いも楽しい。
8位『スナックバス江(16)~(18)(完)』(フォビドゥン澁川)
老婆とチーママが切り盛りする場末のスナックを舞台にしたギャグ漫画。
クズ揃いだけど憎めないキャラクタ達やワードセンスの光る軽快な掛け合いなど、最後まで本作らしい雰囲気を貫き通していた。フォビドゥン澁川先生の次回作にも期待したい。
7位『断腸亭にちじょう(4)~(6)(完)』(ガンプ)
ガンと診断されたひねくれ者漫画家の闘病生活を描くエッセイ漫画。
家族や漫画関係者達、医療従事者の方々への感謝もこの作者らしいひねった心理表現で描かれておりユニークだった。過酷な闘病生活の結果、寛解に至ったことは本当に喜ばしい。
6位『ザ・キンクス(3)』(榎本俊二)
小説家の父親と専業主婦の母親、娘と息子の4人家族の日常を描いた作品。
温かい家族内や周囲の人々との交流が独特のシュールなテンションで描かれており大変ユニーク。大人の視点と子供の視点の描きわけも巧みで各キャラクタに人間味がある。
5位『スキップとローファー(12)』(高松美咲)
自信家だけどちょっと抜けてる少女と高校のクラスメイト達との交流を描く物語。
キャラクタ達の過去の暗い記憶を捨てずに丁寧に掬い取りながら現在の彼らの新たな道しるべとしていくストーリー構成力が秀逸。素晴らしい青春群像劇。
4位『メダリスト(13)』(つるまいかだ)
スケートに賭ける少女と熱血男性コーチがメダリストを目指すフィギュアスケート物語。
選手とコーチ、ライバル同士をつなぐ人間ドラマや氷上に賭ける想いがすさまじく圧巻の熱量。キャラクタ達の立ち位置や関係性を再定義するストーリー構成も秀逸。すごく
3位『ふつうの軽音部(5)~(9)』(出内テツオ/クワハリ)
渋めの邦楽ロック好きの少女を中心に高校軽音部の活動を描く物語。
主人公の心境の変化も含めて、個性豊かなキャラクタ達が繰り広げる人間模様が広がってきて楽しい。トリッキーなキャラクタの暴走も物語の展開に合わせて上手く制御されている印象。
2位『サンキューピッチ(1)~(4)』(住吉九)
ある制約を抱えたピッチャーの少年を中心に曲者揃いの野球部を描く高校野球物。
試合の中で相手校と知略戦を繰り広げながら形勢が二転三転する展開の制御が巧み。強烈な個性のキャラクタ達にも上手く役割が与えられており構成がよく練り込まれている。
1位『ビバリウムで朝食を(4)(完)』(道満晴明)
街の七不思議の秘密を探る仲良し小学生3人組の少し不思議な冒険を描いた作品。
とんでもない飛び道具のメタ展開も含めてオリジナリティの高いSF設定や個性豊かなキャラクタ達のエピソードを綺麗にまとめ上げたラストは素晴らしい読後感。傑作。



































































