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2026年3月読んだ漫画の中でオススメ作品のまとめです。 

『チハヤリスタート!(4)』(たけうちホロウ)

足が速いだけでチヤホヤされていた少女とライバルとなるもう一人の少女を描く陸上物語。
社会人になりそれぞれの理由で競技から離れた元チームメイト達を陸上への熱で復帰させていくストーリー構成が力強い。ライバルとの一時共闘などの展開も面白い。


『限界OL霧切ギリ子(2)』(ミートスパ土本)

ブラック気味な職場に勤める女性会社員の妙な拘りを持った限界料理を描くグルメ漫画。
主人公を筆頭に癖の強すぎるキャラクタ達が各々の拘りを持って語る料理への持論がそれぞれの方向に独特で興味深い。話間の作者のコラム的な文章も内充実。


『呪術廻戦モジュロ(2)』(岩崎優次/芥見下々)

『呪術廻戦』本編から68年後の近未来を舞台に呪術師と宇宙人の会合を描くスピンオフ作品。
独特の作中ルールを前提として繰り広げられる人間模様や戦闘描写は原作同様の魅力がある。原作要素の盛り込み方もサービス精神にあふれていて嬉しい。


『逃げ上手の若君(24)』(松井優征)

生きる英雄と殺す英雄、北条時行と足利尊氏の生死を賭けた鬼ごっこを描く物語。
史実において情報が不十分で不可解な点を強烈なキャラクタ性や脚色で強引に解釈していくストーリー展開の制御が巧み。シリアスとコメディ展開の配分も良い塩梅。


『さむわんへるつ(2)』(ヤマノエイ)

深夜ラジオの大喜利コーナーへの投稿という共通の趣味を持つ高校生男女を描く物語。
友人やライバルという立て付けはありつつも、お互いに好意を向け合い仲を深めていく二人の関係性がキュート。矢継ぎ早に繰り出される掛け合いの中のギャグ密度も濃い。


『サンキューピッチ(5)』(住吉九)

ある制約を抱えたピッチャーの少年を中心に曲者揃いの野球部を描く高校野球物。
癖の強いキャラクタを駆使し高校野球をメタるような展開も交えながら、ストーリーの勢いを衰えさせず次から次へと盛り上がる展開を持ってくる構成力素晴らしい。


『ふつうの軽音部(10)』(出内テツオ/クワハリ)

渋めの邦楽ロック好きの少女を中心に高校軽音部の活動を描く物語。
ヘビーなキャラクタ深掘りエピソードを挟んだ上で彼らの心情や状況にマッチした楽曲演奏描写が展開されるストーリー構成は巧み。キャラ人数は多いが各人の設定は作り込まれている印象。


『野球・文明・エイリアン(3)』(へじていと/山岸菜)

聡明な男子大学生と超野球好きの女子のカップルがエイリアンに野球を教える物語。
人類と異なる身体の構造を持った異星人の特性を活かした野球描写は思考実験のようで興味深い。ヘンテコな題材ながら各要素が突出せずに上手く制御されている。


『平成敗残兵すみれちゃん(9)』(里見U)

元アイドルの31歳女性が従弟の男子高校生にプロデュースされて再始動する物語。
普段はダメ人間でも決める場面では決める主人公の格好良さが際立つエピソードの後に、その評価を地の底まで落とす話を持ってくる構成が本作らしい。


『撮るに足らない(5)』(二駅ずい)

カップルチャンネルのエロ動画で稼ごうとする恋人未満の大学生二人を描いたラブコメディ。
男子の欲求がアブノーマル気味で女子がそれにドン引きしつつも何やかんやで受け入れる二人の関係性が面白い。エッチな画面が急に飛び出してくる見開き表現も迫力がある。


『ずっと青春ぽいですよ(5)』(矢寺圭太)

アイドル研究部のオタク男子達と彼らに付き添う女子達が青春を謳歌するため奮闘する物語。
キャラクタ達が抱える思春期らしい悩みや葛藤は等身大で、それをアイドル活動に昇華していくストーリーは青春ど真ん中でキラキラ眩しい。


『彼は友達(3)』(浦野月鼓)

「絶対に好きにならない」と約束の上でクラスメイト男子と友人になった女子を描く物語。
フィクションの中で誇張されながらも各キャラクタ達が抱える悩みにはリアリティがあり、周囲の人々に影響されながらその悩みが解消されていくストーリーも素敵。


『これからどうする?(2)』(秀良子)

アラフォー漫画家が今までやらなかったことにチャレンジする様子をレポするエッセイ漫画。
親の終活や体力がある間の海外旅行など、アラフォー世代には身に覚えのあるエピソードが多く共感性が高い。自分を飾り過ぎない作者の自己評価にも親近感がある。


『ファミレス行こ。(下)』(和山やま)

合唱部の男子中学生がヤクザの男にカラオケレッスンを頼まれる物語の続編。
主人公のヤクザ男性に対する複雑な感情をエモーショナルに描いた上での余韻の残る良いラスト。和山やま作品らしいどこか軸のずれたコメディ描写も楽しい作品だった。


『J⇔M ジェイエム(7)』(大武政夫)

女子小学生と身体が入れ替わってしまった殺し屋とその女子が主人公のコメディ。
勘違いや嘘によって事実が捻じ曲げられる展開が繰り返された結果、誰も望んでいないヘンテコな状況に陥っていくストーリー構成が大武政夫コメディらしくて楽しい。


『レッドブルー(17)』(波切敦)

ある理由から総合格闘技を始めた元いじめられっ子の少年を主人公とした物語。
サブキャラクタの性格に関する設定がしっかり作り込まれており格闘技に対する向き合い方が多様で興味深い。総合格闘技における多様な戦略も魅力的に描かれている。


『マンガラバー(2)』(文村公)

そつなく仕事をこなす漫画編集者男性と魅力的な漫画を描く住所不定少女が主人公の物語。
少女に感化されて変化していく男性編集者の思考や信頼し合う主人公二人の関係性、漫画雑誌編集部内での争いなど、漫画制作をエンタメ性高く脚色したストーリーが熱い。


『フラジャイル(31)』(恵三朗/草水敏)

性格と口と人相が極めて悪い、病気の原因過程を診断する病理医が主人公の病院ドラマ。
最新の医療技術に関するトピックが興味深いし、強いキャラクタ達が繰り広げる人間ドラマは重厚かつ医療物としてのスケールも大きくて読みごたえがある。


『宇宙不動産ほしの(2)』(稲井カオル)

24世紀を舞台にお客様に宇宙で一番ぴったりの家を紹介する不動産屋女性を描くコメディ。
切れ味鋭いボケツッコミが繰り広げられる会話劇のテンポが小気味よくて面白い。惑星をまたいだ不動産屋というスケールの大きな題材でありながらゆるいSF感も楽しい。


『焼いてるふたり(23)』(ハナツカシオリ)

BBQ好きの男性としっかり者のようで抜けている女性との夫婦生活を描いた作品。
キャラクタ達の交流が緩くて平和な雰囲気で癒されるし登場する料理も美味しそう。主人公夫婦のライフステージの変化があり作中時間が少しずつ進んできているのも良い。


『ながたんと青と-いちかの料理帖-(15)』(磯谷友紀)

客足の遠のいた料亭の跡取り女性とそこに婿養子に来た口の悪い青年が主人公の料亭物語。
丁寧な心理描写のおかげでキャラクタに対する愛着が高まり、彼らの悲しみや喜びを追体験するような感覚もある。皆に幸せになってほしい。


『母性天使マザカルカノン(3)(完)』(1億年惑星)

母性溢れる8歳の少女が悩める人々を助けるため奮闘する成人向け漫画雑誌掲載のギャグ漫画。
短ページで瞬発力のあるギャグが持ち味で濃いキャラクタ達のやり取りはパワフル。急転直下の展開からホラーで閉めたラストの展開も面白かった。


『ありす、宇宙までも(6)』(売野機子)

言語が苦手な少女が苛烈な天才少年のサポートを受けて宇宙飛行士を目指す物語。
主人公二人が少しずつ成長して周囲から認められながら夢に向かってステップアップしていくストーリーは痛快。お互いに補い合うようなメイン二人の関係性も素敵。


『路傍のフジイ(6)』(鍋倉夫)

40過ぎで非正規社員、冴えないけど何故だか人を惹き付ける不思議な男性が主人公の物語。
特段目立たなくても周囲に影響を与える主人公のキャラクタや何気ない日常の中で彼を魅力的に描くストーリー、余韻の残る各話の閉め方など、特異な魅力にあふれた作品。


『そういう家の子の話(2)』(志村貴子)

宗教二世の若者達が仕事、結婚、独り立ちなどの人生の岐路において思い悩む姿を描く群像劇。
格キャラクタ達がそれぞれの立場で宗教による束縛に苦悩しながら、拒絶や成り行き任せ、諦めなど、自分なりのやり方で折り合いをつけていく姿にリアリティがある。


『ほたるロードマップ(2)』(安堂ミキオ)

離婚した元専業主婦の女性がバイクの免許を取って各地を一人旅する物語。
一般的な生き方から外れても充実した人生が送れることを示す主人公の姿に込められたメッセージが力強い。バイク旅の中で見える景色の新鮮さがそのメッセージを更に引き立てている。


『のんのんの日常チャンネル(3)』(路田行)

自分の何気ない日常を配信するのが趣味の会社員女性に想わぬ出来事が起こる物語。
自身の価値観の外側にいる人間に対して鈍感で危うい方向に進んでしまいそうになるキャラクタ達の姿がスリリング。すっとぼけた調子のコメディ描写も面白い。


『首をまつる』(雨瀬シオリ)

戦場で拾った生首の美しさに心を奪われた女性のお話など「生首」をテーマにしたオムニバス。
斬新な題材ではあるが狂気じみた熱量に動かされる人々を描く雨瀬シオリ先生の作品とテーマが妙にマッチしている。史実をベースにしたお話があるのも面白い。