『ふつうの軽音部(11)』(出内テツオ/クワハリ)
渋めの邦楽ロック好きの少女を中心に高校軽音部の活動を描く物語。
主人公バンドのライバル的バンドの登場は対立軸としてわかりやすい。高校生の日常物という側面も強い本作の中でライバルキャラとの関係がどのように展開されるか気になるところ。
『大人大戦(5)』(かっぴー/都築真佐秋)
正しい大人になりたい青年が近未来の日本に組み込まれたある社会システムと戦う物語。
SNSにおける評価の影響が大きくなり私刑的ネットリンチがはびこる現代社会を風刺したような設定がユニーク。そんな中で真っすぐな主人公のキャラクタも好感が持てる。
『島ロック(1)』(みはる/まの瀬)
自由に音楽をやるために離島の高校に入学して一人暮らしを始めた少年が主人公の物語。
離島のクラスメイト達になかなか心を開けなかった主人公が音楽を通じて素直な気持ちを表していくストーリー構成は素敵。まの瀬作品らしいトリッキーな掛け合いも楽しい。
『レッツゴー怪奇組(6)』(ビュー)
人々を驚かすことを生業にする少女と常人の六倍怖がりの少年が主人公のホラーコメディ。
素っ頓狂な怪異が巻き起こすヘンテコ現象に対して主人公達がツッコミを入れるスタイルには安定感がある。ハイテンションでテンポの速い掛け合いも癖になる。
『ずっと青春ぽいですよ(6)』(矢寺圭太)
アイドル研究部のオタク男子達と彼らに付き添う女子達が青春を謳歌するため奮闘する物語。
思春期の悩みや不安をアイドル活動に昇華させるストーリーは爽快。活動の中でキャラクタ達に新たな関係性が構築されていく様子なども青春っぽくて素敵。
『これ描いて死ね(10)』(とよ田みのる)
漫画を読むのが大好きな少女とその仲間達を描く漫研部が舞台の物語。
ロジカルな創作論を示しながらもパッションを前面に押し出す作品の雰囲気は漫画への愛に溢れている。本編と巻末ストーリーとを使い分けたストーリー構成力もお見事。
『天幕のジャードゥーガル(6)』(トマトスープ)
モンゴル帝国が猛威を振るう12世紀を舞台に奴隷の少女の数奇な運命を描く物語。
知略智謀が入り乱れる帝国内の権力争いには緊迫感があり、その中での女性達の生き方や戦い方も印象的。キュートな絵柄と骨太なストーリーのミスマッチが面白い。
『傷口と包帯(5)』(七井海星)
弱った人間に性的興奮を感じるヤクザの娘と彼女の世話を任されたヤクザを描くコメディ。
巧みな特殊性癖の言語化とヤクザ社会の政略結婚、身分差のある秘めたる恋、顔芸強めのコメディ演出などの要素が合わさってカオスな様相になっており楽しい。
『望郷太郎(15)』(山田芳裕)
500年のコールドスリープから目覚めた男がイランから日本へ荒廃した世界を旅する物語。
旅の終着地点において判明する新たな事実と、主人公が新たな野望に向けて決意を新たにする展開が力強い。作品としても終盤戦の雰囲気でどのように物語を畳んでいくか楽しみ。
『平和の国の島崎へ(12)』(濱田轟天/瀬下猛)
国際テロ組織の工作員だった男性が一般人になり平和な日本で暮らす物語。
平和だった日々から切り離されて戦場に戻りつつある主人公の姿にはどこか哀愁が漂う。作品としても終盤と思われるが彼の人生にとって幸せな結末となることを期待したい。
『マンガラバー(3)』(文村公)
そつなく仕事をこなす漫画編集者男性と魅力的な漫画を描く住所不定少女が主人公の物語。
未熟さや経験不足も取り込んで血肉にしながら突っ走る主人公二人の漫画創作スタイルが力強い。真っすぐすぎるくらい真っすぐなストーリー展開が気持ちいい。
『メダリスト(15)』(つるまいかだ)
スケートに賭ける少女と熱血男性コーチがメダリストを目指すフィギュアスケート物語。
キャラクタが過去の暗い気持ちに向き合う中で周囲の人々に支えられながらトラウマを克服して新たなステージへと昇っていくストーリー構成や人物描写力が秀逸。
『「壇蜜」(3)』(清野とおる)
清野とおると檀蜜が出会ってから結婚し夫婦生活を営む様子を描くエッセイ漫画。
婚姻届け提出時のトラブルや結婚発表後の周囲の反応など、当事者にしか描けないエピソードが披露されており興味深い。変わり者夫婦の波長が合っている様子も微笑ましい。
『邦画プレゼン女子高生 邦キチ! 映子さん(15)』(服部昇大)
邦画好きな女子高生が賛否両論ある邦画を紹介する映画コメディ。
最近の話題作から過去のヘンテコ映画まで、紹介される映画の幅が広く引き出しの多さに感心させられる。ネタとしていじりながらも愛のある作品の取り上げ方も面白い。
『バルバロ!(4)』(岩浪れんじ)
なにわのファッションヘルスを舞台に風俗嬢の多種多様な人間模様を描く物語。
風俗という特殊な業界の中で様々な問題を抱えながらもあっけらかんとたくましく生きるキャラクタ達がエネルギッシュで魅力的。登場する等身大の人々にリアリティがある。
『多摩ニューおーるどCITY(1)』(日向山葵)
近未来の日本を舞台に大規模高齢者ケア施設で第二の青春を謳歌する人々を描く群像劇。
超高齢化社会のディストピアの中で比較的お気楽な思考で日々を楽しむキャラクタ達の姿は社会風刺ととらえても面白い。東進低めなキャラデザインもユニーク。
『ニーハオ、おいしい東京日和。(1)』(ZON)
中国出身の主人公が移民としての東京で生きながら中華グルメを楽しむ姿を描いた作品。
日本と中国、どちらに傾倒することなく淡々と日々を生きる主人公の姿にリアリティがある。食事を通して故郷に思いを馳せる姿も哀愁が漂っていて素敵。
『ダイヤモンドの功罪(10)』(平井大橋)
規格外の才能ゆえに野球を楽しむことが許されない少年が主人公の物語。
もう一人の主人公とも呼べる少年が主人公と対比的な存在として物語の中に配置されておりユニークな存在。年端もいかない少年達に大きな決断を迫るストーリーは残酷。
『対ありでした。 ~お嬢さまは格闘ゲームなんてしない~(11)』(江島絵理)
ゲーム禁止のお嬢様学校で格ゲーに勤しむ少女達を描く物語。
過激な発言で周囲の注目を集めるプロゲーマや炎上に加担する視聴者などネット関係の描写にリアリティがある。主人公に戦いの舞台が整うストーリー展開も熱い。
『奸臣スムバト(2)』(トマトスープ)
13世紀のモンゴル帝国に侵略されるジョージア王国を舞台にした田舎貴族の青年が主人公の物語。
当時の人々と現代人との価値観の違いが興味深く、その違いを読み手にもわかりやすく紹介しながらエンタメ性が高いストーリーが展開されておりお話の構成力が高い。
『のんのんの日常チャンネル(4)』(路田行)
自分の何気ない日常を配信するのが趣味の会社員女性に想わぬ出来事が起こる物語。
コミカルなテンションでキャラクタ達の異常な言動が描かれる掛け合いの雰囲気はユニーク。キャラ心理の上がり下がりを演出する画面などの表現力も豊か。




































