ニューウェーブ漫画相談室

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カテゴリ: 年間漫画まとめ

2015年も年の瀬ですので、今年読んだ漫画まとめましょう。
あと1週間あるけど誤差だよ誤差。

今年読んだ漫画は全部で659冊(2015年1月1日~12月23日)。去年が248冊なので倍以上に。
そのうち紙の本が15冊のみだから98%がkindleで購入。
ちょっと漫画読み過ぎである。しかしその分面白い漫画との出会いも多かった。
量当たらないと自分にぴったりな作品とは巡り合えないと思う。
今年ほどでないにしても来年も500冊目標で読んでいこう。

続いて今年発売の漫画で面白かった作品をランキング形式で発表。
今年はホントに面白い作品に沢山であったのでたっぷり50作品。
レギュレーションは「2015年1月1日から12月23日までに出版された漫画」
 

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 2014年も年の瀬。読んだ漫画やらまとめる。

私が今年読んだ漫画は238冊(1221日現在、参照URLhttp://booklog.jp/users/satsuma0122)。去年は300冊強読んでいたのでだいぶ減ってしまっている。残りの10日も注目漫画が発売されるのでもう少し増えるだろうけど、300冊はいかないだろう。来年はもっと読もうと思うさっき去年の記事読み返したら、同じこと書いていた。うーん、具体的な行動設定が必要。

 

あと、今年は電子書籍を本格的に導入し始めた。買った漫画の9割以上は電子書籍。紙媒体より発売が遅い、解像度が低い、等のデメリットを考慮しても、手軽に買える魅力が勝った。複数のマーケットの掛け持ちが面倒だからキンドルオンリー。来年以降も電子書籍中心でいくつもり。出版社が本気になるように、もっと普及してくれ。あと、KDPも今後は注目していきたい。出版革命は道半ば。

 

次に、読んだ作品の中で面白かったものの感想を。読んだ冊数は少なかったが、面白い漫画には沢山出会えた。

 

 

<長期連載完結漫画>

・『もやしもん』(石川雅之)


 高校生の頃から読んでいる作品なので、完結は感慨深い。

 

・『聲の形』(大今良時)

 

 この文章を読んでいる人には最早説明不要か。実のところ、私はまだこの作品を消化しきれていない。年末年始に読み返す予定。

 

 

<短期連載完結漫画>

・『満月エンドロール』(野村宗弘)

 

ワンアイディアを上下巻にうまくまとめたと思う。野村漫画のいい意味で緊張感のないヘタウマな雰囲気と重いテーマが意外にマッチしていた。後読感が気持ちいい。

 

・『わたしの宇宙』(野田彩子)

 

新人漫画家による漫画メタ漫画。チャレンジングで荒削りながら、物語をまとめた作者の今後に期待したい。

 

 

<恋愛漫画>

『終電にはかえします』(雨隠ギド)

 

 百合漫画だけど、登場人物は女同士とか気にせず恋をしているから恋愛漫画枠で間違ってない。あんまり得意じゃないジャンルだけど楽しく読めた。

 

 

<ギャグ漫画>

『幻想ギネコクラシー』(沙村広明)

 

 沙村さんのギャグ漫画が大好きだ。時事ネタなし縛りだが、着眼点のユニークさやギャグの切れ味は相変わらず。ライフワーク的に続けていってほしい。

 

『ニコニコはんしょくアクマ』(カレー沢薫)

 

 残念オタク女子を題材にしている、いつものカレー沢漫画。6コマのコマ割りはネタを詰め込むだけ詰め込むカレー沢さんのスタイルに合っている気がする。

 

 

<フェチ漫画>

『富士山さんは思春期』(オジロマコト)

 

 安定の富士山さん。富士山さんはビジュアルも勿論素晴らしいけど、おっとりした性格もまたよい。

 

『シャーリー』(森薫)

 

 森薫の趣味全開のメイド漫画。異様なまでの13歳メイドへの執着心。その煩悩から生み出される美しい画面と物語。流石森薫。

 

 

<スポーツ漫画>

『夕空のクライフイズム』(手原和憲)

 

 個人的に注目しているスポーツ漫画。丁寧な解説でサッカー知らない私でも読みやすい。ちょっとずれているキャラ同志の掛け合いも面白い。今後に期待。

 

<料理漫画>

『甘々と稲妻』(雨隠ギド)

 

 今年は例年以上に料理漫画が多かった印象。どの料理漫画もそれぞれ特徴を出していたけど、漫画としての面白さはやっぱりこの作品が一歩抜きん出ていたと思う。料理描写も丁寧で料理もおいしそうだし、ホームコメディとしてもしっかりしている。今、個人的に一番続刊が待ち遠しい漫画。

 

 

<サスペンス漫画>

『白暮のクロニクル』(ゆうきまさみ)

 

 ベテランゆうきまさみ。物語と設定の練り方がとにかく丁寧。ベーシックな画面の作り方も読みやすい。安定感抜群。漫画読みなれてない人にもおすすめしたい。

 

『累』(松浦だるま)

 

 このマンの20位以内に入っていなかったのは残念。キャラクタの精神の内の内までえぐりこんでくるストーリーはまさにサスペンスの面白さ。ハラハラドキドキさせられる。表紙も含めて絵も強い。物語をどう収束させていくか、今後の展開が見物。

 

 

<ホラーSFギャグ漫画>

『ムシヌユン』(都留泰作)

 

 今年一番のわけのわからん漫画。生理的嫌悪感を抱かせてくる主人公のキャラクタが物語の芯であり、彼の行動次第で漫画自体がホラーにもSFにもギャグにもなる。私の中の、このキャラクタがすごい上位入賞。とにかく変な漫画。

 

 

 ここからなんとなくランキング形式。私の今年読んだ中で、特に脳汁出させてもらった漫画達。

 

 

10位>

『からかい上手の高木さん』(山本崇一朗)

 

 イジり女子イジられ男子コメディ。恋人未満の男女関係を楽しむという読み方もあるが、本流としては、女子にイジられ願望のある男子向け、というニッチなニーズに対応した漫画。漫画業界の懐の深さを思い知らされる。

 

 

9位>

『春風のスネグラチカ』(沙村広明)

 

 沙村のギャグでない真面目な単巻歴史物。骨太なストーリーにも関わらず重くなりすぎず、キャラクタには沙村的エンタメ要素が盛り込まれている。というかツンデレ禿オヤジが強すぎる。ツンデレ禿オヤジ漫画。

 

 

8位>

『ニッケルオデオン』(道満晴明)

 

 道満晴明の安定感。他の漫画家には真似できない道満ワールド。本作は終わってしまったが、読み切りワンアイディアが一番合っている漫画家だと思うので、どこかで読み切りをずっと描き続けてほしい。

 

 

7位>

『蟹に誘われて』(panpanya

 

 panpanya独特のモノクロチックな画面作りと夢の中のようなストーリーはそのままに、前作『足摺り水族館』よりわかりやすい話が増えた印象の今作。漫画サブカル最前線には違いない。

 

 

6位>

『白馬のお嫁さん』(庄司創)


以前感想を記事に書いた作品

 「産む男」による、嫁探しジェンダーコメディー。こんだけ面白いんだから話題沸騰だろと思っていたのだが、ツイッター等で検索する限り、あんまり売れてない。中途半端なとこで打ち切りにならないことだけを願う。

 

 

5位>

『千年万年りんごの子』(田中相)

 

 全3巻という丁度いい長さで、美しい完結を迎えた本作。このマン50位以内に入っていないのが残念。昨年のランキングに入っていたから仕方ないのだが。最初から最後まで物語に無駄がないところが非常に好み。後世に残ってもいい傑作。

 

 

4位>

『濃縮メロンコリニスタ』(ニャロメロン)

 

 ギャグ漫画界の救世主ニャロメロン。型にはまらない構成の4コマ漫画は衝撃的。本作はwebで連載していた4コマを集めたものなので玉石混合だが、十分ニャロメロンの才能は感じ取れる。本格的な商業紙連載も始めており、今後に期待の漫画家。

 

 

3位>

『子供はわかってあげない』(田島列島)

 

以前感想を記事に書いた作品
 様々な要素をちりばめながら、最終的に王道のボーイミーツガールで収束する本作。上下巻というまとまりのよさもあり、おそらく私が今年一番読み返した漫画。下巻後半は何度読んでも脳汁とか何かんや出る。

 

 

2位>

『タケヲちゃん物怪録』(とよ田みのる)

 

 世界一不幸な女の子が幸せになるまでの物語。物語の畳み方に定評のある(私個人の意見だが)漫画紳士とよ田みのるによって、本作も美しい完結を迎えた。最終巻を読み終えて、全ての主要キャラクタが「キャラクタの寿命」を出し切ったように感じた。とよ田漫画の根底に流れる「優しさ」が最終巻に濃縮されている。素晴らしい漫画だった。

 

 

1位>

『ちーちゃんはちょっと足りない』(阿部共実)

 

 読み終わった時に、今年の一番はこの漫画だ、と確信した。ここまで感情を揺さぶられる漫画に近年出会っていない。日常描写で下地を固めてからの急展開、真綿で締め付けるように追いつめられるキャラクタ描写、そして解釈の分かれるラスト。一冊の漫画に詰め込む物語の構成としてこれ以上ないと思う。間違いなく名作。

 

 

 以上。今年もよい漫画に沢山出会えてよかった。この文章を読んでくれている皆様にも良い漫画との出会いがありますように。

今年もあわただしく過ぎ去ろうとしております。

『このマンガがすごい!』を筆頭とした漫画ランキングも続々と発表されてくる時期です。そんなこともあり、私も今年読んだ漫画で面白かったものをまとめておこうかなと。12月発売の漫画は含みません。目を見張るようなものがあれば後で追加します。

面白いのでランキング形式にしますが、『このマン』等の予想ではありません。そんなに網羅的には読んでいませんので。いつかはやりたいなぁ。

 

評価対象:コミック版の発売日が今年の漫画

 

<相変わらず面白かった枠>

『神々と人々の日々』(増田こうすけ)

『銀の匙』(荒川弘)

『関根くんの恋』(河内遥)

『空が灰色だから』(阿部共実)

『ふうらい姉妹』(長崎ライチ)

『よつばと!』(あずまきよひこ)

『リューシカ・リューシカ』(安倍吉俊)

(作品名五十音順)

 連載が続く漫画はハードルが上がっていく中で、用意したハードルを越えていった作品群。基本的に新しく奇抜な作品を好む私だが、安定しているというのもそれはまたいいものだ。末永く続いてもらいたい(空灰終わっちゃったけど…)。

 

<新人枠>

『わたしの宇宙』(野田彩子)

 新人だからこその思い切ったメタ題材。完結するまではなかなか評価しづらい作品ではあるが、期待をするには十分なポテンシャルを感じさせてくれる。

 

<サブカル枠>

『足摺り水族館』(panpanya

 個人出版社から特殊装丁での販売ということから、もはやサブカル臭が漂っている。絵柄も独特のノスタルジイ感。ニューウェーブと呼ぶにふさわしい。

 

<グルメ漫画枠>

『目玉焼きの黄身 いつつぶす?』(おおひなたごう)

 グルメ漫画ブームだった気がする今年。私が一番気に入ったのはこの作品。とにかく笑えた。ギャグはテンポが大事。ベテランギャグ漫画家はそのへんが上手い。

 

<道満枠>

『ヴォイニッチホテル』(道満晴明)

『ぱら☆いぞ』(道満晴明)

 今更ながら、今年自分の中で道満晴明がブレイク。とりあえず絵が好きだ。ダークファンタジーと作風の相性が抜群なので、ヴォイニッチには凄く期待している。

 

<フェチ枠>

『富士山さんは思春期』(オジロ・マコト)

 高身長おっとり女子というピンポイントのニーズに答えた作品。個人的には素晴らしいコースを付いてきた。

 

 

 以上が特別枠。ここからはランキング形式。ただ、あんまり順位に意味はない。どれも自信を持ってオススメできる作品。

 

 

10位>

『星のポン子と豆腐屋れい子』(小原慎司、トニーたけざき)

 私の好きだった時代のアフタの雰囲気が漂う作品。起承転転転転結くらい物語があちらこちらに転ぶ。一冊完結のスピード感も魅力。うまくまとまっている。

 

9位>

『重版出来!』(松田奈緒子)

 出版社側から描いた漫画製作の裏側。よくある仕事もの漫画ではあるが、個人的に興味のある題材なので楽しめた。世の中は表に出る人間だけで回っている訳ではないというのは、どの業界にしても同じだ。

 

8位>

『千年万年りんごの子』(田中相)

 新進気鋭、田中相。たどたどしさが微笑ましい新婚夫婦を引き裂く村の風習。地方の村という閉鎖的空間の描き方が上手い。そしてそれに抗うために立ち上がる主人公。今後の展開が非常に楽しみ。

 

7位>

『僕は問題ありません』(宮崎夏次系)

 どこかズレた人を描かせると天下一品の漫画家による最新刊。デビュー作『変身のニュース』から変わらない、作品全体から醸し出される、なんだか上手くいかない雰囲気。本作の方が若干キャッチ―。

 

6位>

『宝石の国』(市川春子)

 こちらは人外との交流を描かせると右に出るものがいない市川春子。初連載がまさかのバトル漫画でどうなることやらと思ったが、思いのほかハマっているような気がする。短編の頃から巧妙だった伏線の張り方が、長編になりさらに複雑に絡み合っていく。どのくらいの長さになるのか。続きが楽しみ。あとエロさも健在。

 

5位>

『オンノジ』(施川ユウキ)

 ほのぼの無人街フラミンゴコメディ。個別記事も描いたので詳細は省くが、極限まで無駄をそぎ落としたボーイミーツガール。片方フラミンゴだけど。

 

4位>

『地球戦争』(小原慎司)

 SF冒険活劇。またも登場小原慎司。漫画巧者だと思う。こちらも詳細は個別記事。雰囲気は古臭いが、とにかく読んでいてワクワクする。

 

3位>

『第三世界の長井』(ながいけん)

 信者の多そうなながいけんの最新作。基本ベースは不条理系のギャグ漫画、それも読者を突き放してくるレベルのシュールさなのだが、その半面、全体を俯瞰するとメタ構造の設定と綿密な伏線が物語全体を支えている。熱心な読者はその裏側に気づき、物語の裏を考察するのだが、『神聖モテモテ王国』という「前科」のあるながいけん作品ということを忘れてはいけない。伏線に意味なんてないのかもしれない。不条理と秩序、その危うさを楽しむ作品なのかもしれない。

 

2位>

『ラタキアの魔女』(笠辺哲)

 「シュールレアリスムほのぼの漫画界の雄」という、うすた京介による意味不明な人物評が妙にしっくりくる漫画家、笠辺哲の短編集。以前の連載作品『フライングガール』にて見事なドラえもんを見せてくれた笠辺作品だが、そのSF(少し不思議)っぷりは本作も同様。ほのぼのな絵柄と雰囲気に、少し斜に構えたスパイスをブレンドさせている。少し不思議な要素が、物語の本流ではなくちょっとした小道具として出てくるあたり、藤子っぽい。寡作な漫画家だが、是非雑誌連載からメジャーになってほしい。

 

1位>

『ひきだしにテラリウム』(九井諒子) 

 創作物の面白さを思い出させてくれる作品。詳しくは以前書いた個別記事を読んで頂きたいが、キーワードは「妄想の共有」。おそらく今年の漫画賞でもなんらかの形で名前が挙がるだろう。メディア芸術祭マンガ部門では既に優秀賞に選ばれている。「俺マン」あたりでは上位なのではないだろうか。

 

 

 以上、私が読んだ今年の漫画総括です。年末までまだ時間はありますが、今年読んだ漫画は電子書籍も含みますが300冊弱くらい。来年はもうちょい増やしていきたいと思います。
 ではでは、皆さん良い漫画生活を。 

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